ピアノは、お金がかかると言われるけれど。結城美帆子

ピアノは、お金がかかって、毎日練習しなければならないからと、敬遠される人もおりますが、スポーツ系の習い事や、バレエや日舞に比べたら、ピアノはお安いと思います。フィギュアスケートは、年間のリンク代や振り付け代、指導料、衣装代、遠征費などで、年間1,000万円くらいかかるとのことで、親に経済力がない場合は、どんなに実力があっても続けられなくて途中でやめていく人もいるとのことです。ピアノは、お高いレッスン料の先生にレッスンを受けていても、スタインウェイのグランドピアノを買っても1,000万円〜2,000万円程度ですから、他の習い事に比べたら、お安いと思います。日舞の発表会は、演目に合わせて着物を仕立てなくてはなりませんし、指導者へのお礼も必要ですし、名取のお披露目ともなれば、すごくお金がかかります。バレエも、コンクールに参加する場合は、ほぼ毎日個人レッスンを受けますので、レッスン料も相当かかります。コンクールに参加しなくて趣味でやっている場合でも、発表会などで、先生やプロのバレエダンサーとパドドゥを踊る時は、先生やダンサーにお礼をお支払いしなければなりませんので、結構お金がかかります。どんな習い事でも、どのレベルを望むかによって、かかる費用は、変わると思います。バレエ教室の発表会の会費は、一律でないのがほとんどのようです。この辺では比較的名のあるIバレエ教室の発表会の会費は、一人10万円〜ソロやパドドゥを踊る人は30万円くらいと聞きました。私は、東京青山にある松山バレエ団でレッスンを受けておりましたが、ピアノの発表会の会費が5,000円でしたが、バレエの発表会の会費は7万円くらいだったと思います。もう50年前のことですけどね。今、私が皆さんにピアノを教えていられるのは、ピアノにしても、声楽にしても、バレエも日舞も、一流と言われる先生方に指導を受けてきたので、確固たる自信があるからです。私は、教えを受けた先生方を信頼し尊敬申し上げております。私の務めは、自分が受けてきた教えを伝え残して行くことではないかと思っております。音楽とは、芸術とは、何なのか?音楽や芸術は、道楽と言う人がおりますが、音楽や芸術は、人間が生きて行く上で、なくてはならないものなのです。数年前から、義務教育課程から、音楽や美術の授業が減らされております。その結果と言うことは言えないかもしれませんが、心を病んだ若者が起こす凶悪な事件が増えていると思いませんか?音楽や美術など芸術は、人間の心を癒してくれる効果もあるのです。人間が人間らしく生きて行くためにも、音楽や美術など芸術は必要なのです。ピアノを40年近く教えてきて思うのですが、60歳以上の方は、ピアノは初めてですとおっしゃってもドレミの音符は読める方が多いのですが、40歳よりお若い方は、学校の授業でやらなかったためか、ドレミすらわからない人が多いのですし、童謡や唱歌を知らない人も多いのです。彼らは、退職して歳を老いたら、何を楽しみに生きて行くのでしょうか?気の合うお仲間で楽器を演奏したり、合唱を楽しむこともできないと思います。生きて行く上では、趣味も必要です。私の母は、家のため、家族のために子供のために生きてきた人だったので、何の趣味もない人でしたから、デイサービスに行っても楽しくはなかったようです。超一流のピニストの演奏やオペラをたくさん観てきた母なので、カラオケや皆んなで歌うのはバカバカしかったと思います。娘として、反省している点です。母の生きがいになることを見つけることが大変でした。生き甲斐って大切なのです。それで、デイサービスで野菜作りをさせて頂くことにしたのですが、それからは、デイサービスから帰ってくると、毎日野菜作りの話をするようになり、キュウリはもうすぐ食べられると言っていたところで、脳梗塞が再発して再び入院となり、帰らぬ人となりました。人間は、支援を受けるだけが幸せではないのですよ。私は、観葉植物を育てておりますが、毎日少しずつ茎が伸びて行くのを見ていると幸せな気持ちになります。母の血を受け継いでいるのでしょうね。