自民党の総裁選でも立憲民主党の代表選でも、誰一人として文化芸術について触れている人はいない。
唯一本格的なオペラ上演が出来る東京文化会館は、2026年〜大規模修繕工事に入るため3年間は使えなくなるそうで、海外からオペラの引越し公演が観られなくなります。
海外のオペラ団体の引越公演を行うには、2000〜2500程度の客席が必要と、NBS公益財団法人日本舞台芸術振興会理事の高橋典夫氏のブログにありました。
「感動はプライシスだが、総合芸術であるオペラの感動は五臓六腑に染み渡って、生きる喜びを思い返させてくれる」とありました。
私自身、何度もオペラを観ておりますが、全くその通りです。
初めて東京文化会館で聴いた演奏は、恩師であった亡き東敦子先生のオペラアリアのリサイタルでした。
指揮は、アルジェリオ・クワドリ氏、とーフィルだったかNキョウだったかは忘れましたが、一部は藤色のドレスで、ノルマのカスタディーバから柔らかいベルカントからでした。
2部は真っ赤なドレスでした。
背中に鳥肌が立つほど素晴らしい演奏でした。
高橋典夫さんは、東敦子先生のマネージャーだった方です。
演奏家は、マネージャーあってです。
新国立劇場がありますが、座席が2,000ないそうで、海外からの移動公演には金銭的な面からも難しいようですし、借りるのも難しいみたいです。
イタリアに行かなくてもミラノ・スカラ座のオペラが聴けたのです。
レナータ・テイバルディーがオペラ公演に来た時に観に行かれた先生が、「楽屋に会いに行ってお目にかかったら、腕が太ももくらいあった」と仰っておりまして、日本人とイタリア人の体格の違いを感じ、体をつくらないとあの響きは出せないと思ったそうです。
現在ある音楽大学の副学長を務めていらっしゃる〇〇さんは、小学低学年の頃から、お母様とご一緒にオペラ公演にいらしていたのをよくお見かけしておりました。
お子さんには、なるべく本物を見せてあげて欲しいと思います。
本物を見ることで、その場の雰囲気を経験することで、何かを感じるはずです。
感動が感性を育てるのですから。
それが、2026年から3年間も経験できなくなってしまうのです。
文化芸術は人を育てるためになくてはならないものです。
政治家にお願いしたい。
もっと文化芸術に税金を使って欲しいです。
人としての感性を育てることが、日本の未来を背負う人間に育てることに繋がるのですから。
音楽は音で情景や風景・誰かの気持ちや様子・心の思いなどを表現する芸術です。
文化芸術は、人々の楽しさや感動、精神的安らぎや生きる喜びをもたらし、人生を豊かにするものです。
また、豊かな人間性を涵養し、創造性を育み、人間の感性を育てるほか、他者に共感する心を通じて、他人を尊重し、考えを異にする人々と共に生きる資質を育むものです。
成果主義の先に、誰もが尊厳を持って自分らしく生きられる社会の明るい未来はあるでしょうか?
人としての感性が豊かな人は、平気で嘘をついたり、誰かをいじめたり、誰かを追い詰めて自殺に追い込んだりはしません。
人としての感性が豊かな人が増えれば、思いやりの心が満ち溢れて、子供も高齢者も障害者も誰もが自分らしく希望を持って幸せに生きられる社会になるはずです。
今の社会はどうでしょうか?
「認知症になったらどうしよう?」「介護を受けるようになったらどうしよう?」「迷惑をかけないようにしなければ」こんなことを高齢者や障害者に言わせる社会が良い社会なのでしょうか?良い政治なのでしょうか?
高齢者や障害者がビジネスの対象になっているのは良いのでしょうか?
ピアノ教室でも、障害者のレッスン料を一般の生徒に比べて高く設定しているところもあるようですが、確かに障害者にピアノを教えるのは一般的な生徒さんよりは労力と時間がかかりますが、私は同じ料金でレッスンを行っております。
発達障害専門医と自称する医者の中には、2時間で330,000円お取りになられている方もおりますが、発達障害は治る障害ではないので如何なものかと思います。
私はピアノを教えることを生業にしていますが、ピアノを弾くことで美しいものに触れる機会を持ち感動できる心を育み人としての感性を育てたいと思っています。
そして、心豊かな人生を歩んで欲しいと願って日々レッスンを行っております。
ピアノで脳育とか脳活と言うことを耳にしますが、私は芸術としてのピアノを教えたいと思います。
最後までお読み頂き有難うございました。
今日も素敵な一日になりますように!