ピアノは、基本的に楽譜を見ながら手を見ないで弾きますが、ピアノを初めて習う方が習い始めから手を見ないで指を動かすなんて出来ないと思います。
私もピアノを教え始めた頃は何もわかりませんでしたので、生徒さんには「楽譜を見て、手を見ないで」と言って教えておりました。
あとで反省しました。
全くピアノを弾いたことがない人が、いきなり手を見ないで楽譜の通りに指を動かせる方が不思議なことなのです。
現在はどのような学習要項になっているかわかりませんが、私が中学生の時は、3年生の時に体育の授業で平均台があったのですが、平均台を見ないで足元を見ないで平均台の上を歩くのは、すっごく怖かったです。
特に後ろ向きで平均台の上を歩く時は怖かったです。
全くピアノを弾くのが初めてだったら、平均台の上を足元を見ないで前を向いて歩けと言われているのと同じではないでしょうか?
それを思った時、最初は手を見て鍵盤を見て弾かせるようにしました。
手を見ないで反射的に指が動くようになってから、手を見ないで楽譜を見ながら弾くレッスンを行うようにしました。
ピアノのレッスンは、楽譜に書いてあることだけを教えることではありません。
楽譜に書いてあることだけで誰もが弾けるようになるのであれば、「ピアノの先生」と言う仕事は必要なくなります。
ピアノの先生とは、楽譜に書いてあることだけではなく、専門的に学んできた知識と経験で得た知識をフルに使って、生徒さんがピアノが上手く弾けるように導いてくれる人です。
ピアノの教え方の教科書はありませんから、どれだけ勉強しているかです。
私が、生理学や解剖学を学ぶ為に准看護師養成学校で学んだのも、ピアノを教える為に最低必要な生理学や解剖学の知識が必要に感じたからです。
心理学と精神分析を学んだのも、人をお相手に仕事をするのに、それも色々な年齢層の人間を相手にピアノを教える上で、発達心理学や人間の心を知る精神分析の知識の必要性を感じたからです。
知識と経験が増えるごとに教えやすくなりました。
学びは日々続きます。