ピアノの先生の介護日記「努力が報われないこともある様です」結城美帆子

どんなに努力をしても報われないこともある様です。今年の1月24日から母の介護を始めました。20年前に一度脳梗塞を起こしておりましたから要介護一度での介護でしたが、一人でも着替えも出来ましたしトイレも行けましたし食事もできました。8ヶ月が過ぎた今は要介護5になり一人で寝返りもできなくなり全介助状態になりました。医師からは、一人での介護は無理だからと療養病院への転院を勧められておりますが、愛する母を死ぬのを待っているだけの老人ホームに追いやることはしないつもりです。人間が病気になり老いて行くのは当たり前のことです。精神分析を受け始めた時に、分析家の向井先生から「分析の作業は生活の一部だと思ってください」と言われたのですが、後になって意味がわかることとなったのですが、生活の一部ですから生きている限り分析の作業に休みはないので、高熱でもリサイタルで疲れていても分析家のもとへ行き分析の作業を1日も休まず10年以上も続けるのです。大変な作業です。でも、この精神分析を受けていなかったら、母の介護をすることなど出来なかったのです。分析の作業によって、母の愛を自覚することができ改心することができ心から母を愛することができる様になったのです。分析を受ける前は、母と同居をするなんて考えておりませんでしたし、当然老人ホームへ入れるつもりでおりました。でも、私を育ててくれた母なのです。動物じゃなくて人間なのです。自分の母一人面倒を見れなくて人様にピアノを教えることなど出来ないと思いました。母によろこびを与えることができなかったら人様に音楽のよろこびを与えるなんて出来ないと思いました。音楽も生活の一部なのです。       今まで、できる限りの努力をしてきたつもりですが、母の脳梗塞の再発を防ぐことができないのです。レッスンの合間に病院へ行きリハビリもしているのですが、、、、敗北です。