ピアノの先生の介護日記「母の介護をしている理由」結城美帆子

私が母を介護している理由の一つは、私が指導を受けた先生方が皆ご自宅でご両親様を介護し看取られているからです。指導者からは、生き方も学びますので、「先生が離婚すると生徒も離婚する」なんて言われていたこともあるくらいです。教えを受けた先生方を尊敬し敬愛しておりますので、私も先生方と同じように生きたいと思うからです。介護は、特別なことではなく、生活の一部です。でも、もし、親を老人ホームに入れて涼しい顔をしてピアノを教えたり演奏をしている先生に教えを受けていたならば、私も母を老人ホームに入れて涼しい顔をしてピアノを教えたり演奏をしていたかもしれません。指導者から受ける影響って大きいです。化粧の仕方から洋服の好みまで同じになります。先生が独身主義者だったら生徒も独身が多かったりもするようですし。私の現在も最初に教えていただいたピアノの先生の趣味が引き継がれております。学生時代、髪を短く切ってカーリーヘアーで東敦子先生のご自宅にレッスンに伺った時、「レッスンのおつもり」と、言われたことがございました。東先生は、短いカーリーヘアーがお嫌いだったのです。洋服にもチェックが入りました。ある先生は、演奏会の時の私の衣装が気に入らない時があったようで、「私が衣装を選んであげるから持ってらっしゃい」と、言われたこともございました。個人レッスンをコンスタントに受けていたついついこの間までは今のような短いヘアースタイルはできませんでした。髪を短く切ってレッスンに行くと「なんで切るの」「あたなは自分の良さをわかっていない」「バカって言ったら髪が伸びてくるんだったら何度でも言ってあげる」とか言われました。皆さん、私のことを思って愛情で言ってくれたことはよくよくわかりますが、私は私なので、先生方の創造物でもないのですけどね。なんて、思うこともありました。