ピアノ教師の結城美帆子です。
ピアノのレッスンで大切なことは、生徒さんにコンクールで賞を取らせることよりも、一生ピアノを楽しく続けていける力をつけてあげることではないかと思います。
音楽大学を受験する生徒さんも同じなのですが、時間的に課題曲のレッスンしかできないので、チェルニーやクラマーなどのエチュードがほどんどできない状態になってしまいます。
ピアノを一生楽しめる力をつけるには、やはりエチュードやバッハ、曲を満遍なく学ぶことが必要ではないかと思います。
チェルニー100番で2対3のリズムを学んだり、チェルニー40番の26番で連符を学んでからショパンの幻想即興曲を学ぶと、さほど譜読みが大変ということはないです。
コーリューブンゲンも必要性を感じます。
コーリューブンゲンは、音程やリズムなどソルフェージュを学ぶ教本としては優れていると思います。
趣味でも基礎は重要です。
なぜ、基礎力が必要なのかと申しますと、自由に表現するためです。
表現する技術が無いと表現できません。
フォルテの音、ピアニッシモの音、クレッシェンド、デクレッシェンド、技術がなければできません。
ピアノは、楽典の知識と音楽性、それを表現するための技術が揃って、自分が演奏したいと思う演奏が出来るのです。
ハノンやチェルニーなどはつまらないと思いますが、生涯のことを考えるととても重要な練習なのです。
チェルニー30番は、1回目のレッスンで譜読み、2回目のレッスンでリズム練習、3回目のレッスンで指定のテンポで弾けるようにして、4回目のレッスンで暗譜をして仕上げ、を30曲行うので、最短で120回、当教室は年間48回レッスンを行っておりますから、2年6ヶ月で終了できます。
チェルニー40番も同じようなレッスンですが、30番よりは効率よく練習ができるようになるので、3回目のレッスンで暗譜ができるように練習をすれば、120回のレッスンで終了できますから、40番も2年6ヶ月で終了できます。
チェルニー30番と40番で5年、ピアノはきちんと計画的に練習をすれば10年から15年でショパンのエチュードが弾けるようになるので、小学6年生でピティナピアノコンペティション高校一年生以下のE級で金賞を受賞したり、天野薫さんのように小学5年生でプレ特級に入賞することもできるのです。
毎日5、6時間練習をすれば、チェルニー30番や40番は一年もあれば弾けるようになります。
一万時間の法則というものがありますが、ピアノも一万時間練習したら上級レベルの曲が上手く弾けるようになります。
毎日1時間の練習で30年、2時間の練習で15年、3時間の練習で10年で達成出来るのです。
お子さんは、小学校卒業までにチェルニー40番終了を目標にすると良いと思います。
小学3年生から6年生まで、毎日2時間練習をすれば達成できます。※ただし、コンクールへ参加される方は、2時間+課題曲の練習。
ピティナピアノコンペティションは、中学生になってから、D級からの参加でも良いのではないかと思う今日この頃です。
チェルニーの他に時間的余裕がある人は、バッハコンクールやブルグミュラーコンクールに参加されるのも良いと思います。
コンクールよりも一曲で参加できるステップに参加して、最終ステップの展開3の合格を目標にされるのも良いと思います。
何事も目標は大切です。25歳までは技術の向上が望めますから、25歳までにチェルニー40番を弾けるようにしてショパンのエチュードまで辿り着けば、一生ピアノを楽しく続けていけます。
今年のコンペティショングランミューズ部門の金賞は、糖尿病専門の勤務医の方で、17回目で金賞を受賞されたとのことです。
グランミューズ部門の金賞は、お医者様が多いです。
趣味はこのような楽しみ方もあります。
どちらにしても、25歳までに基礎をしっかり身につけておくことが大切です。
ピアノを奏でる喜びは、生きる喜びになります。