コンクールは、自分で目標を設定して頑張ることで得るものがあるという考えの方もいらっしゃると思いますが、私の教室にはアドバイザーとして発達障害の研究臨床を行っている医師と臨床心理士がいるのですが、結果として起こりうるものを目的目標にするのは、子どもの成長を考えるとよくないと言われました。
コンクールの指導を始めて10年少々ですが、私もコンクールの結果を目指す参加の仕方は子どもの成長によくないのではないかと思うようになりました。
コンクールは、「好き・楽しい」という気持ちでやっていると、結果として思わぬ成長を遂げたりすることもありますが、親がやらせたいと思って無理やりやらせると大成しないだけでなく、結果を目指すプロセスが楽しくないと挫折をしてしまったり、最悪ピアノが嫌いになってしまうこともあります。
小学3年生位になると、本人の向上心が高まり「もっと上手くなりたい」と思うようになったり、コンクールを観て「自分も挑戦したい」と思うようになるお子さんもおりますが、幼児から小学低学年位までは、コンクールの意味はわからないと思うので、曲を深く勉強しステージでの演奏を目的に参加されることをお勧めしています。
自分の同じ年齢のお子さんの演奏を聞くということで、「自分も上手くなりたい」という意欲が湧いてきます。
演奏を審査員や色々な人に聴いてもらえることで、自己承認欲求が満たされるのです。
コンクールは、演奏に点数と審査員の寸評が頂けるので、客観的なフィードバックが出来るので、良い方向に指導を進めていくことが出来るのです。
お教室の発表会ですと、自己満足で終わってしまうことが多いように思います。
コンクールは、使い方次第で生徒さんを成長させることが出来ます。
ただし、競争心と言いますか、欲を持つと良い結果にならないことが多いように思います。
「金のおのと銀のおの」の童話がありますが、無欲なものは得をするけども、欲をかいて不誠実なものは損をするというお話です。
目的が人助けという前提である場合に、その行動は感謝されて嬉しいご褒美を得られることもあるが、欲に目が眩むと全てを失ってしまうという戒めのお話でもありますね。
「花咲か爺さん」の童話も同じような内容ですね。
純粋にピアノが好きで楽しんでやっていることが大切なのです。
結果は、後からついてくるのです。
音楽は心です。
音楽を愛する心を大切にしましょう。
ピアノは心で奏でるのです。
明日は、ブルグミュラーコンクールつくば地区の予選があります。
心を込めて演奏してください。
心を込めて演奏するということは、誰かのために演奏するということです。
誰かの幸せのために演奏するということです。
どうぞ、あなたに惜しみなくいっぱいの愛情を注いでくださっているパパとママのために心を込めて演奏してください。
素敵な演奏が出来るようにお祈りしています。