ピアノが上手く弾けるようになるには。結城美帆子

ピアノが上手く弾けるようになるには、理論も大切ですが、理論だけで上手く弾けるようになるものでありません。

自転車や水泳と同じで、何度も練習を繰り返し、体の感覚で体得していくものです。

はじめて一人で自転車に乗れた時の感覚、はじめて一人でビート板を使わず泳げた時の感覚、覚えておりますか。

自転車は、体でバランスを体得できたから一人で乗れるようになったと思いますし、水泳も足を伸ばして体の無駄な力を抜いてバタ足ができるようになったから体得できたから泳げるようになったのではないかと思います。

昔のことですが、私はその時の感動を鮮明に憶えております。

ピアノが上手く弾けるようになるには、脱力が不可欠でとても大事なことなのですが、理論や理屈だけで体得できるものではありません。

私事ですが、私も最初から脱力ができていたわけではなく、脱力ができていないと速い曲やチェルニー30番をin tempoで弾くことが不可能なので(ブルグミュラー25番やチェルニー100番までは、脱力ができていなくてもごまかしながら何とか弾けます)当時は、脱力なんて言葉はわかりませんでしたし、どうしたら速く弾けるようになるのかわからず悩みました。

先生からは、脱力と言われたことはなく、リズム練習をさせられたり「手首を回すといいのよ」とアドバイスを頂いたりしました。

チェルニー30番で脱力が体得できないと、チェルニー40番は無理なので、先へ進むためには、どうしてもチェルニー30番で脱力を体得する必要があるのです。

ピアノをやっていて、1番大変だった時だったと思いますが、チェルニー30番が最後に来た頃には、いつの間にか何となく脱力が体得できておりました。

脱力を体得するためには、とにかく練習するしかないと思います。

ピアノの脱力とは、間違った練習をしないように先生にチェックをして頂きながら、諦めずに頑張れた人のみが体得できる技ではないかと思います。

他のピアノ教室から当教室に移って来られる方の中には、練習曲を全くやっていなかったり、脱力ができていないのにチェルニー40番をやっている人もおります。

もし、チェルニー30番で脱力が体得できていない場合は、デウアルノアとかルクーペなどを練習して頂くようにしております。

脱力が体得できて、ショパンポジションが体得できていないと、ショパンのエチュードを弾くことは無理なのです。

ピアノの1段階は楽譜を見ながら5本の指で弾けるようになること、2段階は脱力を体得すること、脱力が体得できれば弾きたい曲が自由に弾けるようになることを目指す3段階に入れます。