ノバホールで坂東玉三郎さんのシャンソンを聴いてきました。結城美帆子

玉三郎さんのシャンソンを生で聴いたのは初めてでした。少人数編成の生バンドでしたが、バンドも歌もマイクを通してスピーカーから聞こえてくるものでした。ノバホールは、マイクはNGですね。演出も歌も良かったと思いますが、感動はしませんでした。一番の芸術は、人間の生の声と言われます。また、シャンソンを日本語で歌うのも、やはりNGと思いました。私の恩師であります東敦子先生は、言語主義でした。フランスに25年滞在しラカンの精神分析を勉強してきた向井先生も「日本語でシャンソンはおかしい」と申しておりましたが、今日、玉三郎さんの日本語でのシャンソンを聴いて、私もおかしいと思いました。作曲家は、言葉に曲を書いていくと思いますので、ニュアンスが異なると思うのです。玉三郎さんの日本語の発音も、けしてきれいな日本語で歌っているとも思えませんでした。栗本尊子先生は、日本語を実にきれいに歌われます。喋るように聞こえなければいけないと言われました。喋るのも歌うのも、息の量、体のパワーの使い方が違うだけで、口の中は同じなのです。歌うからと言って、大きく開けたら日本語に聞こえなくなってしまいます。日本語は、口の中をあまり開けないので、日本語の歌は難しいのです。玉三郎さんの歌は、鼻に抜くような歌い方なので、日本語としては、きれいではありませんでした。まだ、宝塚出身の二人の方の方が子供の日本語としては、自然に聞こえました。体力が戻ったら、コンサートを行いたいと思っており、マイクを使うのも有りかなと思っていたのですが、今日の演奏を聴いて、やはりNGマイクを使うのは、やめようと思います。相当体力をつけないとできないですけどね。