私が子どもの頃は、コンクールと言えば「毎日音楽コンクール(現在は日本音楽コンクール)」でしたが、現在は、就学前の子どもからシニア・シルバーまで参加できるコンクールがあります。
中には、参加資格が60歳以上というコンクールもあります。
私が子どもの頃は、「コンクールはピアニストへの登竜門」という認識でしたが、今は違うように思います。
生徒さんがコンクールに参加するようになって10年少々ですが、コンクールに参加している生徒さんたちの演奏力が高まっていることは事実なので、コンクールの効果は確かにあります。
コンクールは、具体的な目標になるので、励みにもなり良いと思います。
難点は、コンクールは親御さんの経済的ご負担と時間的ご負担が大きいことです。
ピアノは、レッスン回数が多い方が上達が早いですし、本人の負担も少ないです。
ピティナピアノコンペティションで全国大会に出場を果たした生徒さんは、ほぼ毎日2時間のレッスンを行っておりましたが、これは私の生徒さんだけにことではないと思います。
ピティナピアノコンペティションをはじめ、 ブルグミュラーコンクール、バッハコンクールも、予選通過の点数が以前に比べすごく高くなっています。
この現象は何を意味するかです。
ピアノを習う方も、ピアノを教える指導者も、二極化しているのではないでしょうか?
ピアノの指導者の中には、電子ピアノの方はお断りという方もおりますが、電子ピアノでレッスンをしているピアノの指導者もおります。
ピアノは打楽器で、自分の指で音をつくりだす楽器なので、本来は楽器の構造から考えるとグランドピアノが本当のピアノで、ピアノの演奏技術はグランドピアノでしか学べないのです。
アップライトピアノは、構造が違うので打鍵が遅いですから弾きにくいのです。
電子ピアノは、センサーが反応して音を出しているので論外です。
ただ、楽譜の通りに指を動かし弾けるようになることを目的に習うのであれば、電子ピアノでも十分ですし、アップライトピアノでも習えます。
表現豊かな演奏ができるようになることを目標に習う場合には、習いはじめからグランドピアノをお勧めします。
特に子どもは順応性が高いので、はじめからグランドピアノを与えれば、指導者が教えなくてもピアノを弾く指の形が自然にできますし、自然に音を出して弾くことができます。
ご自宅で電子ピアノやアップライトピアノで練習をしているお子さんは、お教室のレッスンではグランドピアノなのですが、力が入ってしまうためか大きな音で弾く生徒さんが多いです。
子どもは環境で育つと言われますが、ピアノも環境で育ちます。
コンクールは、楽譜の通りに弾けるだけでは10点満点でしたら7点です。
音楽の本質とは音で何かを表現することですから、ピアノで情景や気持ち・心を表現することができることで表現力が評価され、8点や9点10点が得られるのです。
コンクールは、グランドピアノで練習ができる生徒さんだけでもいいのかなーとか思う今日この頃です。
さあー今日も素敵な一日になりますように!
色々なことがありますが、頑張ります。