グレン・グールドと言うピアニストを知ったのは、ラカン派の精神分析家向井雅明先生のお話からでした。
向井雅明先生からは、グレン・グールドは自閉症だったと聞きました。
当時、私は自閉症児へのピアノの指導法を試行錯誤しており、自閉症についての研究会があれば参加しておりました。
自閉症で農場の経営者になったテンプル・グランディンを知ったのも、向井雅明先生からです。
グールドの演奏は凄いです。
私は素晴らしいと思うのですが、私の知り合いのピアノの先生はみんなグールドをよく言いません。
他の教室から移って来られた生徒さんは、前の先生から「グールドだけはダメよ」と言われたそうです。
精神に関係する薬を服用していたようですから、凄く繊細な人だったのでしょうね。
グールドは、ショパンやリストは弾かなかったようです。
向井雅明先生からは、「自閉症者には平均律を弾かせるといいよ」とアドバイスを頂いたことがありました。
これまで50人以上の自閉症者にピアノを教えておりますが、みんなショパンやロマン派の曲は下手くそです。
自閉症者は心が無いとか感性が無いと言われますが、そんなことはありません。
心も感性もあります。
感動もします。
目を合わせることができなかったり、挨拶ができなかったり、コミュニケーションが難しかったりはしますが、音楽を通してのコミュニケーションで人の輪を繋ぎ広げることはできます。
YouTubeでもグレン・グールドの演奏が聴けますから、ぜひ聴いてみてください。