40年に亘って様々な人たちにピアノを教えてきて思うこと。
30年前からは自閉症や何らかの障害がある方にもピアノを教えてきましたので、実に様々な人たちに接ることが出来たおかげで、色々なことを学ぶことが出来ました。
自閉症という言葉を耳にするようになったのは、20年くらい前だったように思います。
その前は、知的障害とか、精神薄弱とか言われていたような子が、「自閉症なんですがレッスンをお願い出来ますか?」とか、「軽度の発達障害なんですが体験レッスンをお願いします」とか、「自閉スペクトラム症です」と仰るようになり、自閉スペクトラム症と言われると、親御さんからのお話とWISCやパースの検査結果だけではお子さんの状態を把握するのが難しく、実際にお会いしてお子さんを拝見させて頂かないと、どのようなレッスンを提供できるかがわからなくなりました。
医師は、心理士が行う検査結果から診断を下していると思いますが、初診は30分程度の面談をすると思いますが、再診からは5分〜10分程度の診察時間だと思うので、本当に正しい診断ができているのか疑問を感じる生徒さんもおります。
ASDやADHDと診断されたお子さんの中には、ギフテッドのお子さんもいるような気がするのです。
私が現在レッスンをさせて頂いている生徒さんの中にも、もしかしてギフテッドではないかなーと思う生徒さんが3名ほどおります。
自閉症とギフテッドは、共通することもあれば異なることもあるようです。
何とかと天才は紙一重と言われますが、そんな感じかもしれません。
ピアノの指導者として感じる自閉症とギフテッドの大きな違いは、自閉症は指示をしないと何もしようとしませんが、ギフテッドであろう子は自分というものがあるようで指示されることを嫌がる傾向があるように感じます。
私はラカンの精神分析を少々学んでいるので、精神分析的観点から相手を観察してしまうのですが、自閉症の子は主体が無く、ギフテッドの子は主体が有ります。
指導をする上で、主体の有無は重要で、自閉症の子は主体を引き出すことから始めますが、自閉症のだと思っていた子が自閉症ではなくギフテッドだった場合に教え込むような指導をすると上手く行かないのです。
ギフテッドの子には、自由に表現ができるレッスン環境と言いますか状況を作ってあげると上手く行くような気がします。
自閉症もギフテッドも生まれながらの特性ですから、治るということもなければ変わるということもないようですが、子どもは成長するので、ギフテッドの子は成長と共に凸凹がなくなるようです。
真実を知る怖さが有るかもしれませんが、客観的に自分の特性を知るのも良いのではないかと思います。
そして、特性を活かした職業に就くというのも良いのではないでしょうか?
自由診療になりますが、知能指数(IQ)の検査WISCは誰でも受けられます。
特性を見極め、一人ひとりに適した指導法でお子様の可能性を最大限化するお手伝いができたらいいなーと思って日々レッスンを行っております。