アドラー式「しない」子育て。結城美帆子

私は、ピアノのレッスンにラカンの精神分析とアドラーの心理学を取り入れております。生きて行く上で大切なことは、「自立」と「調和」です。「自立」とは、「一人で生きていける力」自分の考えを持って、自分で判断をして行動できること。そのためには、「私には能力があり、自分で成し遂げることができる」と思える心の基盤が必要です。「調和」とは、「他人と一緒に生きられる力」他人と仲良く、協力し合えること。自分への信頼と他人への信頼を持って他人の中で生きられること。そのためには、相手を認めて妥協点を見出す力が必要です。このふたつの力を育むために、基本的に親は「何もしなくてよい」と言うのが、アドラー式「しない」子育てです。アドラー式自立と調和を育む6つの「しない」①『比べない』②『ほめない』ほめるというのは上下関係が前提にあって、本人が「上の立場から評価されている」と感じてしまえば、「ほめられないとできない」と思うようになります。対等な目線で、過程や本人の個性に注目して認めることが、自信につながり、自己受容になります。「できた」か「できない」の結果のみをほめると主体性がなくなります。「ほめるとやってくれるから楽」と、子供をコントロールする道具としてほめていると、子供は、「ほめられる可能性が小さくて難しいこと」はしないようにしようと思うようになり、新しいことに挑戦しなくなります。③『怒らない』なぜ、怒るのかを知っておくと楽です。「子供はこうあるべき」という「親の理想」があり、その通りにならない現実をなんとかしようと、怒りという感情を発動して相手にぶつけているのです。アドラー心理学では、感情は相手を支配するための道具と考えます。中でも、怒りは、相手を黙らせるために使っているのです。④『介入・干渉しない』一人の人間として対等に見て、口を出さずに任せることで、子供は「信頼されている」と感じ、他人を信頼できるようにもなります。そうすれば、仲間と協力しあって一緒に生きられるようになります。調和の力です。⑤『手助けしない』⑥『無視・放任しない』怒り疲れて「もう知らない」と切り上げたり、子供が何をしているのかを知らずに放っておくのは「放任」で、子供の居場所を奪います。人間は、子供も大人も、物理的にも精神的にも居場所がなければ生きられません。自殺につながります。