ご家庭でのピアノの練習について。結城美帆子

当教室では、ご家庭での練習は、自由にしております。大人の生徒さんの場合は、ご家庭で全く練習をしなくても構いません。なぜなら、ピアノを習う目的が違うからです。ピアノって、みんなが同じに上達していくわけではないのです。ただし、ある程度弾けるようになったら、いつまでにこの教則本を弾けるようにしようとか、発表会でこの曲が弾けるように頑張ってみようとか、目的を持つことも大切です。ピアノを心から弾きたいと思えば、親に練習をしなさいと言われなくても、自ら進んで練習をするでしょう。ピアノを弾くのが好きであれば、親に言われなくても、自ら進んで練習をするでしょう。親から言われないとピアノの練習をしないお子様は、本心は、あまりピアノが好きじゃないかもしれませんね。子供がピアノが好きになり自ら進んでピアノの練習をするようになるには、ピアノが好きになり、ピアノを弾きたくなるような環境が大切なのです。一つの例として、お父様とお母様が、簡単な曲で構いませんから、一緒にピアノを弾いてあげると、子供もお父様とお母様の間に割り込んで、ピアノを弾こうとする情景をよくみます。子供がピアノを弾いてみたいと思うきっかけは、お父様やお母様、幼稚園の先生などがピアノを弾いているのをみて、「ピアノっておもしろそう、綺麗な音が出てくる。ピアノって楽しそう。僕も私も弾いてみたいな」と思いようになるようです。純粋に、ピアノが弾けるようになりたくて「ピアノを習いたい」と思うようです。最初は、ピアノに努力が必要なんて想像もつかないと思います。生徒さん自身が、努力の意味や練習の意味を理解できなければ、コンペティションの練習は難しいと思いますが、コンペティションに参加するには、年齢の上限がありますから、いかに興味を失わせず、「ピアノって楽しい、ピアノを弾いてるのって楽しい、お友達を遊ぶよりもゲームで遊ぶよりもピアノを弾いていた方が楽しい、ピアノは私のお友達、」と思えるように育てることが大切です。私は、ピアノは、何時間弾いていても飽きることはありませんでした。だから、親から練習しなさいと言われたことは一度もありませんでした。テレビを観ることもありませんでした。テレビは、祖父母の居間にしか置いてなかったので、気軽に観れるものでもありませんでしたけどね。5年生からは、音楽高校受験を決めてましたので、学校帰りお友達と遊ぶことも無くなりましたが、楽しかったですよ。夕方になると、廊下の雑巾がけと300坪もある庭に水をまいて竹ぼうきではくのが私に与えられた仕事だったのですが、面倒くさかったです。でも、お仕事をしないとピアノを弾かせてもらえないから、頑張りましたよ。最近の子供は、頑張ったから、「ご褒美」なんてやっておりますが、私の唯一のご褒美は、ピアノが弾けることだったように思います。ピアノを弾くために、ピアノを弾かせてもらうために、家のお手伝いもしましたし、勉強もしました。私にとって、ピアノを弾かせてもらうことが「ご褒美」だったのかも知れませんね。今まで思ったことはありませんでしたが。ピアノのだけじゃなく、中学2年生の6月から始めた声楽のレッスンも同じです。ピアノも歌も音楽は、私にとって命です。私は、障害がある方にもピアノを歌を教えておりますが、私の魂なのです。どうぞ、お子様が、音楽が好きになる環境を整えてあげてください。心よりお願い申し上げます。音楽が溢れる環境でお育ちになると、他人の心の痛みを馳せることができる思いやりのある優しい人に育つことでしょう。今福祉の現場で働いている人に足りないのは、「心」です。イタリア語で言うと「クオレ」(思いやりの心)とも訳しますです。