「自分からピアノの練習ができるようになって欲しい」と、小学3年生知的障害の生徒さんのお母様がおっしゃいました。
私は、「子供にピアノを習わせている目的は何ですか?」と、質問しました。
「脳の活性化です」と、お母様。
私の障害者にピアノを教えている目的は、脳を活性化させることも一つの目的ではありますが、それだけではありません。
ピアノを通して、親子のコミュニケーションの時間を保つことで我が子に愛情を注いで頂くこと、子供が親から愛されていると実感できる環境を作ること、子供は親から愛されていると心から実感できなければ自分を信じることが出来ないのです。
子供の自分を信じる力、自己肯定感を高める為には、親の無償の愛が必要なのです。
子供のピアノの練習に毎日付き合うのは面倒くさいと思われる親御さんがいらっしゃいましたら、心を改めて頂きたいと思います。
子供は日々成長しております。
子供の成長を毎日そばで実感できるのって、幸せなことと思いませんか?
親から愛されないで育った子供は、愛がどういうものかわからないから愛することが出来ないのです。
子供は、ほったらかしでは育たないのです。
子供は、育てないと育たないのです。
どうぞ、お子さんをいっぱいの愛情で育ててあげてください。
心よりお願い申し上げます。
親がいちいち練習を促さなくても自分からピアノの練習をするようになって欲しいと我が子に願う親御様の心を精神分析すると、
親御さんご自身の親御さんとの子供の時の関係性が見えてきます(精神分析家としての逆転移です)。
自分が子供の時に親にして欲しかったことや、反対にして欲しくなかったことなどを、無意識に子供に向けて無意識に自分の心に抱えていた葛藤を解決していることもあります。
人間がこの世に生を受けて最初の関係ができるのは母親です。
人間は、関係性の中で心が成長していきます。
自閉症の子供の母親を、冷蔵庫マザーと言う言葉で言われたこともありましたが、母親の責任にするのはよくないということだったのか、今は自閉症は脳の障害と言われるようになりましたが、多くの自閉症の子供にピアノを教えてきた経験から私が思うことは、お叱りを受けるかもしれませんが、自閉症の子供のお母様方を見ていると、お母様のお子様への距離感のようなものを感じるのです。
子供がおっぱいが欲しい時に、おっぱいを与えましたでしょうか?
子供がオムツを変えて欲しいと思った時に、オムツを変えてあげましたでしょうか?
精神分析的観点から言うと、
おっぱいが欲しい時に、おっぱいを飲ませてもらったら、子供は母親に愛情を感じるのだそうです。
オムツも同じ。
産まれたばかりの子供は、泣くことでしか訴えることができませんから、一生懸命に泣くのです。
しかし、いくら泣いて訴えてもわかってもらえないと、諦めるようになるそうです。
諦めて自分の殻に閉じこもってしまうそうです。
それが、自閉症というようなことが、色々な論文を読むと書かれております。