おはようございます。
ピアノ教師の結城美帆子です。
本日もブログにご訪問頂き誠に有難うございます。
本日は「いい演奏とは」についてです。
音楽というものは、音で何かを表現するということです。
「いい演奏」とは、その音楽にふさわしい音や美しい音で、如何に歌わせて弾けいるかどうかです。
私は、心が無い演奏を聴くのが辛いです。
コンクールの審査員やピアノパラリンピック全国大会の講評委員をさせて頂いたこともありますが、心の無い演奏を長時間聴いているのが辛くて、辞めさせて頂きました。
コンクールの審査員やピティナピアノステップのアドバイザーになりたいピアノの先生もいらっしゃると思いますが、偉いなーと思います。
私は無理。
生徒さんには、表現力のある演奏を心を込めて演奏すること求めます。
「音楽とは自分自身を語ること、音楽教育とは語るべきその人らしさを育てること」
本ものの音楽は人を幸福にし、人生を支え、そこで学んだ感性がその人間の生き方を決めるということを知るに至ると思います。
あらゆる知識も技術も、そのために学ぶことの一要素に過ぎないのです。
ピアノ指導者の力量は、幼児、障害児者、高齢者、等、条件的に最も理解が困難な人達に「理解」させ、心から楽しませ、音楽による感動を与えられるかどうかが原点と考えております。
音高や音大・芸大等、専門の道に進学させる力量はその延長線上にあることです。
本当に力量のある人は、伝統のある格式の高いコンクールのみ、それなりに生徒の学ぶべきものがあるので受けさせることも選択肢の一つとして選びますが、レベルの低いコンクールで賞を狙うことで自分の格を上げようとしたり生徒の生き方を誤らせてしまうようなことに躍起になったりはしません。
今、自分の勉強していることが、自分にとって、そして生徒に対しても、どういうことに繋がっていくのかしっかりと見据え、ぶれることなく勉強し続けます。
全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)に関わり始めて10年と少々ですが、コンクールは生徒さんと親御さんに自由に選ばせるのではなく、生徒の学ぶべきものはあるコンクールを指導者が選択して参加を促す方が良いのではないかと思うようになりました。
コンクールは、成功体験の積み重ねができるので、目標に向かってが頑張る力を育てるには良いと思いますが、簡単に成功はできませんので、本人はもとより、親御さんのサポートも必要になるので、指導者は親御さんにその覚悟がある方を見極めることが重要かなーと思います。
頑張る力を育てるには、まずは成功体験をさせることが重要だからです。
親御さんの中には、「初めてのコンクール参加だから、、、、、」とおっしゃる方もおりますが、人間とは実にわがままな生き物ですから、いざコンクリートが始まって予選が通過できなかったら、「うちの子、ピアノは向いていないかもしれませんね」とおっしゃってピアノを辞めさせてしまう親御さんもいるのですが、そもそも予選通過を目指した努力(頑張った練習)はしていませんので通過できるはずがないのです。
昨日のレッスンで、「努力したって頑張ったって無駄」と言った生徒さんも、生徒さん本人が言うように努力をしていないのでコンクールで予選通過はできないと思います。
努力していないのに、運が良くてもし予選が通過できてしまったら、この生徒さんの人生においてマイナスにしかならないのです。
本気で努力をしても思うような結果が出せない場合もありますが、この場合には、思うような結果が出せなかったとしても、コンクールへ参加したことはプラスの作用をもたらします。
どんな小曲であっても、その曲が求めている音色や音量を考えて表現豊かな演奏をするには、相当の努力が必要なのです。
結果はどうあれ、真剣に本気で頑張ることが出来たかどうかなのです。
それが、生きていく力につながるかどうかなのです。