「楽譜を見ないで弾けるようになってます」結城美帆子

昨日レッスンにお越しになられた小学校一年生自閉症スペクトラムのお子様のお母様が、「家では、楽譜を見ないで弾けるようになってます。」とおっしゃいました。

絶対いけません。

楽譜を見るのが面倒で楽譜を見ないで弾くようになってしまうのは、絶対に避けなければなりません。

暗譜の技術とは違います。

暗譜は、ただ楽譜を見ないで弾くということではなく、楽譜の全てを頭に入れて頭の中の楽譜を見ながら弾くということです。

まだ楽譜をきちんと理解できていない段階で楽譜を見ないで弾くということは、楽譜を目で追う力が育ちませんので、絶対いけません。

特に自閉症スペクトラムのADHDの方は、楽譜を目で追うことが苦手傾向にあり、楽譜を見ないで弾く傾向があるので注意が必要なのです。

導入期の曲は短いので覚え弾きも可能ですが、楽譜を見ないで覚え弾きをしていると、曲が長くなった時に弾けなくなります。

ピアノは、基本的に手を見ないで楽譜を追いながら弾くのです。

私は、楽譜を見ながら弾く習慣が身につくまで暗譜で弾かせることは致しません。

40年の指導経験から培った指導方法です。

暗譜の指導をする時は、楽譜を書かせます。

楽譜を五線紙に正確に書くことができたら、正しく暗譜もできます。

暗譜とは、うる覚えで弾くことではなく、頭の中に楽譜を正確に描けることです。

そして、自分の頭の中に描いた楽譜を追って弾くというのが暗譜で弾くということです。

ピアノは、感覚で弾くのではなく、脳で弾くのです。