発達障害児のための心と耳をひらくピアノ導入テキスト「あぷり〜れ」を生徒さんに試してみての感想です。
「あぷり〜れ」は、1巻〜3巻まであり、指導書も購入し、軽度発達障害の小学1年生の生徒さん2名と、中度知的障害を伴う中学1年生自閉症の生徒さんに3巻まで使ってみました。
現在、様々なピアノ導入テキストが出版されていますが、発達障害児のための教本はあまり見かけませんので、試してみようと思った次第です。
音楽の本質に適した素晴らしい教本であると思いました。
ただ、知的レベルにもよるのかなーとも思いました。
動物を音で表現した曲がたくさんありますが、その動物を実際に見たことがなければ想像することができないのではないかと思いました。
子どもの感性は、環境で育ちます。
色々なものを見聞させ、触れることが可能なものは触れさせてあげると良いと思います。
ヘレンケラーを指導したサリバン先生は、水を触れさせ「ウォーター」を教えたことは有名ですね。
「アジェンダやまがた」の担当者に使い方についてお話を伺った時に、担当の方は「サービスの提供」という言葉を使われましたので、ピアノ教育を目的とした教本ではないのかなーと思いました。
アジェンダやまがたは、音楽に特化した放課後デイサービスや、大人を対象にした音楽特化型のデイサービスを運営されているようですから、音楽療法であり、サービスなのでしょう。
私は音楽は芸術と考えており、音楽に療法という言葉をつけることにすごく違和感があり、サービスという言葉にも違和感があります。
ピアノの先生の仕事は、私を指導者に選んでくださった生徒さんに、ピアノを弾く為に必要な楽譜の読み方を教え、ピアノの弾き方を教え、音楽の本質に基づき、生徒さんご自身がピアノという楽器を使って自分を自由に表現できるように導くことと思っています。
ピアノが上手くなるにつれ、習慣力や自制心・目標に向かって頑張る力・目標を達成する力・強い心など生きていく力が付加価値として養われるのです。
これまで50名以上の自閉症やADHDの特性があるお子さんにもピアノを教えてきましたが、IQが概ね70以上であれば、バイエルやメトードローズで弾けるようになっていますし、始めから五線譜で読めるようになっていますし、ピティナピアノコンペティションに参加して地区予選を通過し地区本選に出場できた生徒さんもおります。
自閉症やADHDは障害ではなく、特性と考えております。
音楽は、療法という言葉を使わなけても、障害が有る人にも無い人にも癒やしになったり心の拠り所となったりしてくれます。
子育ての最終目的を考え、逆算して子育てをいたしましょう。
結城美帆子ピアノ教室では、定型発達のお子さんも自閉症やADHDなどの特性があるお子さんも、ピアノの指導を通して、音楽的な感性と技術と共に人間としての成長を望まれるお子様に向けて楽しく確実に上達できるレッスンを行っております。